クルックの町に戻ったときには 　　　　夏の日も沈んですっかり暗くなり、 　　　　午後１０時を回っていました。

夜の町はすべてが街灯のオレンジ色一色になり、ヨーロ 　　ッパでもアジアでもないような不思議な雰囲気でした。

教会前の小さな広場にさしかかると、クルックの英雄フランコ 　パン男爵の名を名乗るこじんまりしたレストランがありました。 　　今日はかなり風が冷たいのですが、この町のオレンジ色の光の 　中で鐘楼を見ながら食事をするのもまた良いかもしれません。

今日のメニューはヤリイカの炒め 　物にタコのサラダ、チーズにポテト 　フライ、それにクロアチアワインで 　す。それぞれが大皿にびっくりする 　ほどの量が盛られています。 　　料理もワインも、イタリア料理よ 　りはむしろギリシア料理に近い、新 　鮮で素朴な味わいが印象的でした。

Top; Krk
The second; Krk
The third; The restaurant Francopan
Bottom; The restaurant Francopan

概要

　クロアチアのアドリア海沿岸であるダルマチア地方は１０００以上の島があります。入り組んだ海岸線の美しさは見事で、その航空写真は必ずクロアチアを紹介する冊子の表紙を飾るほどです。ヨーロッパの人たちにとっては有名なリゾート地の一つで、特に近くのドイツ、オーストリアからはバカンス客が列をなして押し掛け、夏にはドイツ語一色の世界になります。また歴史的には古代ローマ帝国以来つい最近までイタリア人の所有であった町が多く、内陸とは異なりイタリア的な陽気な雰囲気があるのも特徴です。そんな中でクルック島は地理的に沿岸のもっとも奥に位置するためスラブ系のクロアチアらしい佇まいがもっとも強い島だといえるでしょう。クロアチア随一の海港リエカからほど近く本土にも接近しているため、１９８０年クルック橋がかけられ、以後飛行場もできて観光や産業の開発が急速に進みました。今では日本でいえば伊豆や箱根に当たるような、クロアチア人の気軽な観光地でもあります。

交通

　日本からクルック島の中心地クルックに行くには、首都のザグレブ空港または隣国スロベニアのリュブリャナ空港まで乗り継ぎ、そこから鉄道、バス等を乗り継いでいくか、空港から直接レンタカーで行くなどの方法があります。またクルック島にもリエカ空港がありますが、最新のスケジュールは不明です。変わった行き方としてはイタリアのトリエステから近くのロッシーニ島まで船で行き、そこからバスの乗り継ぎまたはレンタカーで行く方法もあります。

map & travel

　クルック島についての詳しい情報は、特におすすめできるような良いものは見つけることができませんでした。以下に示す旅行ガイドが比較的よくまとまっています。これ以外についてはマップのページのリンク集をご覧ください。

・　「Ｅａｓｔｅｒｎ　Ｅｕｒｏｐｅ」　　　ｌｏｎｌｅｙ　ｐｌａｎｅｔ社　　３４０２円（日本国内店頭価格）　　　　１９９５年版
　クルック島内のクルックとバシュカに関して約２ページの記述があります。

旧ユーゴスラビアの歴史

　 　このページでは、地中海やその近くの小さな街でのバカンスの１日をお届けしていく予定です。ギリシア、スペイン、イタリア、ポルトガル、クロアチアなどの国々に足をのばそうと思っています。

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